近年の野球は投手の分業化が進み、先発投手は基本的に序〜中盤を投げ、終盤は別の投手が投げる、という試合展開がほとんどを占めるようになりました。
先発投手からマウンドを引き継ぐ投手を総称して「リリーフ投手」や「リリーバー」と呼びますが、彼らにはさらに細かな役割分担があることをご存知でしょうか。
試合終盤、点差が少ない緊迫した場面では、リリーフ投手のパフォーマンスが勝敗を大きく左右します。
今回の記事では、そんなリリーフ投手の役割について徹底解説。
リリーフ投手について知ることで、今日の試合から、あなたのMLB観戦が100倍面白くなること間違いなし!
リリーフ投手の基本と役割分担
既に述べたとおり、「リリーフ投手」とは、先発投手がマウンドを降りた後、試合の途中から登板する投手の総称です。
通常、先発投手は多くのイニングを任されますが、疲労の蓄積や相手打者の”慣れ”により、試合が進むほど打たれるリスクが高まります。
そこでチームは、フレッシュな投手や、特定の状況に強い投手を投入し、リードを守る、あるいは流れを変えようと試みるのです。
現代の野球においては、このリリーフ投手にも様々なポジションが与えられています。
以下からは、そんなリリーフ投手のポジションについて解説していきます。
ロングリリーフ
先発投手が比較的早いイニングで崩れてしまった際に登板し、長いイニングを任される投手です。
2イニング以上を消化し、後続のブルペン陣の負担を軽減します。
当然ながら、多くの球数を投げられるスタミナが必要となり、先発投手としての経験がある投手が務めることも少なくありません。
試合展開によっては、好投によりチームに逆転のチャンスをもたらすことも。
ワンポイントリリーフ
特定の打者を抑えるために登板する投手です。
ただし、近年はMLBのルール改正により、1度登板した投手は最低3人の打者と対戦するか登板イニングを終えるまで交代できないため、この役割は減少傾向にあります。
ミドルリリーフ(中継ぎ)
試合中盤(5,6回)など様々な状況で登板し、次のリリーフ投手やセットアッパーに繋ぐ役割を担う投手です。
試合の流れや相手打者との相性によって柔軟に対応できる能力や、ピンチの際の火消し能力が重要となります。
各チームのブルペン陣の層の厚さを測る上で、ミドルリリーフの充実度は大きなポイントです。
セットアッパー
主に試合終盤(7,8回)に登板し、リードを保ったままクローザーに繋ぐ投手です。
チームにおいてクローザーに次ぐ実力を持つ投手が務めることが多く、緊迫した場面での登板も日常茶飯事です。
ランナーを背負ったピンチの状況で登板し、火消し役をこなす能力も求められます。
なお、クローザーを除くリリーフ投手については、リードを保ったまま次の投手に繋いだ場合、「ホールド」が記録されます。
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「ホールド」については、以下の記事で詳しく解説しています。
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クローザー(抑え)
主に9回に登板し、チームのリードを守り抜いて試合を締めくくる投手です。
勝利を決定づけて試合を終わらせる、まさに”クローザー”として、最も重要な役割を担います。
抜群の球威や鋭い変化球など、何らかの”決め球”を持っていることや、プレッシャーのかかる場面でも動じない強靭な精神力が必要です。
また、三振を奪うなど、確実にアウトを取る能力が特に重視されます。
クローザーがリードを守り切ると、「セーブ」が記録されます。
また、セーブが期待される状況は「セーブ機会 /セーブシチュエーション」と呼び、仮にセーブに失敗した場合、「ブローンセーブ /BS」が記録されます。
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「セーブ」については、以下の記事で詳しく解説しています。
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モップアップ(敗戦処理)
試合が大きくリードされている、あるいは大きくリードしている状況で、勝ち試合で使う主力のリリーフ投手を温存するために登板する投手です。
勝敗に直接影響しない場面での登板が多くなりますが、試合を無駄に長引かせず、安定した投球を見せることが求められます。
若手投手が経験を積む場として任されることや、投手ではなく野手が務める(野手登板)ことも。
本記事のまとめ
本記事では、「リリーフ投手」の多岐にわたる役割についてご紹介しました。
試合終盤の緊迫した場面で、どのリリーフ投手がマウンドに上がるのか、そして彼らがどのような役割を果たし、ピンチを切り抜けるのか。そのような視点で試合を観ることで、より奥深くMLB観戦が楽しめるはずです。
今日からのMLB観戦では、先発投手からバトンを引き継いだ「リリーフ投手」の活躍にも注目してみてくださいね。