「温泉王国」とも呼ばれる群馬県は、日本有数の豊富な湯量を誇り、個性豊かな温泉地が数多く点在しています。
日本三名泉の草津温泉を筆頭に、石段街が有名な伊香保温泉、雄大な自然に囲まれた水上温泉郷、そして「四万の病を癒す」と言われる四万温泉、標高1,800mに位置する万座温泉など、その魅力は尽きません。
この記事では、執筆者が旅行代理店で培ってきた経験を活かし、群馬県が誇る代表的な5つの温泉地を厳選してご紹介します。
各温泉地の泉質や効能、アクセス方法、そして周辺のおすすめ観光スポットや知って嬉しい小ネタまで、旅のプロならではの視点で徹底解説。
この記事を読むことで、あなたの理想の温泉地が見つかるはずです。
ぜひ最後までご覧ください。
【群馬県】おすすめ温泉地5選
ここからは、群馬県を代表する5つの温泉地を、旅のプロならではの視点で詳しく紹介します。それぞれの温泉地の魅力や特徴を知って、あなたの理想の温泉地を見つけてくださいね。
1. 草津温泉
日本三名泉の一つ、群馬県を代表する草津温泉は、自然湧出量日本一を誇る名湯です。
温泉街の中心に位置する湯畑は草津温泉のシンボルであり、夜にはライトアップされ幻想的な雰囲気に包まれます。
強酸性の泉質は殺菌作用が非常に高く、「恋の病以外は治せる」と言い伝えられるほどです。
草津温泉|泉質と効能
草津温泉の主な泉質は、酸性・含硫黄−アルミニウム−硫酸塩・塩化物温泉。非常に強い酸性で、殺菌作用やピーリング効果が期待できます。
湯上り後は肌がキュッと引き締まる感覚があり、慢性皮膚病、神経痛、筋肉痛、関節痛、疲労回復、冷え性、動脈硬化症、高血圧症などにも効能があるとされる泉質です。
草津温泉|魅力と特徴
草津温泉の最大の魅力は、やはり湯畑を中心とした活気あふれる温泉街です。
源泉がダイナミックに流れ落ちる様子は圧巻で、湯気があちこちから立ち上る風景は温泉情緒満点。
伝統的な「湯もみと踊りショー」も必見で、草津節を歌いながら湯の温度を下げるパフォーマンスは、温泉文化を体感できる貴重な機会です。
共同浴場も点在するため、地元の人々と触れ合いながら湯巡りを楽しむのも良いでしょう。
草津温泉|アクセス
草津温泉は、吾妻郡 草津町に位置しています。
最寄り駅はJR吾妻線「長野原草津口駅」。駅から草津温泉バスターミナルまでは、JRバス関東の路線バスで約25分です。
東京からは、高速バス「上州ゆめぐり号」や「ゆめぐり志賀高原号」が便利で、乗り換えなしで直行できます。
レンタカーや自家用車の場合は、関越自動車道「渋川伊香保IC」から約90分でアクセス可能です。
冬期は積雪や路面凍結に注意が必要です。
草津温泉|周辺観光
周辺には、湯畑から徒歩圏内の「西の河原公園」があり、広大な露天風呂や源泉が湧き出す景色を楽しめます。
白根山方面へ向かう「志賀草津高原ルート」は、壮大な山岳景観が広がり、新緑や紅葉のドライブに最適です(冬季閉鎖期間あり)。
温泉街にはお土産物屋や飲食店も充実しており、散策も楽しめます。
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2. 伊香保温泉
伊香保温泉-「渋川伊香保温泉観光協会(https://www.ikaho-kankou.com/)」より引用。
群馬県のほぼ中央に位置する伊香保温泉は、そのシンボルである石段街が特徴的な温泉地です。
古くから多くの文人墨客に愛され、情緒あふれる風景が魅力です。
「黄金の湯」と「白銀の湯」という2つの異なる泉質を持ち、それぞれ異なる効能があることで知られています。
伊香保温泉|泉質と効能
伊香保温泉には主に2種類の泉質があります。
1つは鉄分を多く含む「黄金の湯」で、空気に触れると酸化し茶褐色に濁る湯です。この湯は、疲労回復、神経痛、冷え性、婦人病などに効能があるとか。
もう1つは「白銀の湯」。無色透明のメタケイ酸を含んだ湯で、病後回復や健康増進、美肌効果も見込めます。
伊香保温泉|魅力と特徴
伊香保温泉の最大の魅力は、温泉街の中心にある365段の石段街です。
石段沿いには、老舗旅館、土産物店、飲食店、遊技場などが軒を連ね、温泉情緒たっぷり。射的など、昔ながらの温泉街の楽しみ方もできます。
石段の最上部には「伊香保神社」があり、さらにその先には「河鹿橋(かじかばし)」や「伊香保露天風呂」があります。特に秋の河鹿橋周辺の紅葉は圧巻の美しさです。
伊香保温泉|アクセス
伊香保温泉は、渋川市伊香保町に位置しています。
JR上越線・吾妻線「渋川駅」が最寄り駅です。渋川駅から伊香保温泉行きの路線バスで約25分〜30分で到着します。
東京からは、高速バス「伊香保温泉号」が便利で、乗り換えなしで伊香保温泉まで直行可能です。
レンタカーや自家用車の場合は、関越自動車道「渋川伊香保IC」から約20分でアクセスできます。
伊香保温泉|周辺観光
周辺には、美しい紅葉で知られる「河鹿橋」や、伊香保の源泉が見られる「飲泉所」があります。
また、ロープウェイで登れる展望台からは、上州の山々や関東平野を一望できるためおすすめです。
少し足を延ばせば、日本の美しい里山風景が広がる「榛名湖(はるなこ)」や、水澤観音で有名な「水澤寺(みずさわでら)」も訪れることができます。
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3. 水上温泉郷
水上温泉郷の宝川温泉-「みなかみ町観光協会公式サイト(https://www.enjoy-minakami.jp/)」より引用。
群馬県北部の利根川源流部に位置する水上(みなかみ)温泉郷は、谷川岳をはじめとする雄大な自然に囲まれた温泉地群です。
水上温泉、谷川温泉、宝川温泉、猿ヶ京温泉など、個性豊かな多くの温泉地が集まっており、その総称として「水上温泉郷」と呼ばれます。
渓流沿いの露天風呂や、豊富なアウトドアアクティビティが最大の魅力です。
水上温泉郷|泉質と効能
水上温泉郷の泉質は、温泉地によって様々ですが、単純温泉やカルシウム・ナトリウム−硫酸塩・塩化物泉などが一般的です。
効能としては、疲労回復、神経痛、筋肉痛、関節痛、冷え性、健康増進などが挙げられます。
特に、自然に囲まれた環境での入浴は、心身のリラックス効果を高めるでしょう。
水上温泉郷|魅力と特徴
水上温泉郷の最大の魅力は、温泉と豊かな自然体験を組み合わせられる点です。
春から秋にかけてはラフティング、カヌー、キャニオニングなどの渓流アクティビティが盛んで、冬はスキーやスノーボードも楽しめます。
谷川岳のロープウェイで雲上の絶景を望んだり、利根川の清流を眺めながら湯に浸かるのは、水上温泉郷ならではの贅沢な体験です。
秘湯ムード漂う温泉地から、リゾート感覚で楽しめる施設まで、幅広いタイプの宿があるのも特徴です。
水上温泉郷|アクセス
水上温泉郷は、利根郡 みなかみ町に位置しています。
JR上越新幹線「上毛高原駅」またはJR上越線「水上駅」が主要な玄関口です。上毛高原駅からは、各温泉地へのバスや、水上駅から連絡バスが運行しています。
東京からは、JR上越新幹線で上毛高原駅まで約1時間20分。
レンタカーや自家用車の場合は、関越自動車道「水上IC」から各温泉地へアクセス可能です。
水上温泉郷|周辺観光
周辺には、日本百名山の一つ「谷川岳」があり、ロープウェイで手軽に絶景を楽しめます。
美しい渓流が流れる「諏訪峡」では、散策やバンジージャンプなどのアクティビティも可能です。
「奥利根湖」や「奈良俣ダム」など、豊かな水源を巡る旅もおすすめ。また、冬季はスキー場が多数オープンするため、ウィンタースポーツも楽しめますよ。
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4. 四万温泉
四万温泉-「四万温泉協会公式サイト(https://nakanojo-kanko.jp/shima/)」より引用。
群馬県北西部、吾妻郡中之条町に位置する四万(しま)温泉は、「四万の病を癒す」と言われる効能豊かな温泉地です。
特徴として挙げられるのは、美しい「四万ブルー」で知られる四万川の色と、情緒豊かな温泉街。
昔ながらの湯治場の雰囲気を残しつつ、近年はSNSで「映える」スポットとしても注目を集めています。
四万温泉|泉質と効能
四万温泉の主な泉質は、ナトリウム・カルシウム−塩化物・硫酸塩泉です。
飲用も可能な温泉としても有名で、無色透明ながら湯の花が舞うこともあります。美肌効果が高い「美人の湯」として知られ、肌の角質を柔らかくし、しっとりとした湯上りを実感できるでしょう。
胃腸病、神経痛、筋肉痛、関節痛、冷え性、疲労回復などに効能があると言われています。
四万温泉|魅力と特徴
四万温泉の最大の魅力は、温泉街の随所に感じられるレトロでノスタルジックな雰囲気と、四万川の「四万ブルー」と呼ばれる独特の美しい色です。
温泉街には、無料の足湯や飲泉所が点在し、歴史ある共同浴場巡りも楽しめます。
特に「積善館(せきぜんかん)」は、その赤い橋とレトロな建物が絵になる美しさで、ジブリ映画の雰囲気を彷彿とさせると人気です。
四万温泉|アクセス
四万温泉は、吾妻郡中之条町に位置しており、最寄り駅はJR吾妻線「中之条駅」です。
中之条駅から関越交通の路線バスで約40分〜50分で到着します。
東京からは、高速バス「四万温泉号」が便利で、乗り換えなしで四万温泉まで直行できます。
レンタカーや自家用車の場合は、関越自動車道「渋川伊香保IC」から約60分でアクセス可能です。
四万温泉|周辺観光
周辺には、四万川の美しい青色が神秘的な「四万川ダム」や、ダム湖に架かる吊り橋があり、カヌー体験もできます。
温泉街から少し足を延ばせば、日本の重要文化財にも指定されている「旧廣盛酒造」や、「四万温泉発祥の地」とされる湯の湧く場所を訪れることも可能です。
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四万温泉積善館-「積善館公式サイト(https://www.sekizenkan.co.jp/honkan/)」より引用。



5. 万座温泉
万座温泉-「群馬県観光公式サイト(https://gunma-kanko.jp/)」より引用。
群馬県と長野県の県境に位置し、標高1,800mの日本有数の高山に湧く万座(まんざ)温泉は、「星に一番近い温泉」と称される秘湯です。
白濁した強酸性の硫黄泉が特徴で、その濃い泉質は他の温泉ではなかなか味わえないもの。
雲海を望む露天風呂からの眺めはまさに絶景であり、特別な体験ができます。
万座温泉|泉質と効能
万座温泉の主な泉質は、酸性・含硫黄−マグネシウム・ナトリウム−硫酸塩温泉です。
非常に強い酸性で、硫黄の含有量は日本トップクラス。湯上り後は、肌がキュッと引き締まる感覚があります。
期待される効能は、慢性皮膚病、リウマチ、高血圧、動脈硬化症、糖尿病、胃腸病、美肌効果など。
特に呼吸器系の病気にも良いとされ、湯治に訪れる人も多いです。
万座温泉|魅力と特徴
万座温泉の最大の魅力は、標高1,800mという立地から来る圧倒的な景観と、日本屈指の硫黄泉です。
雲海を眼下に望む露天風呂はまさに絶景で、夜には満天の星空が広がります。
高山植物が咲き誇る夏、紅葉が美しい秋、そして一面の銀世界が広がる冬。四季折々の自然の美しさを体感できるのは、万座温泉ならではの魅力です。
また、泉質の濃さから、短時間の入浴でも体が芯から温まり、疲労回復効果を実感できるでしょう。
万座温泉|アクセス
万座温泉は、吾妻郡 嬬恋(つまごい)村に位置しています。
JR吾妻線「万座・鹿沢口駅」が最寄り駅です。駅から万座温泉まで西武観光バスで約40分。
東京からは、西武高原バスの直行バスも運行しています。
レンタカーや自家用車の場合は、関越自動車道「渋川伊香保IC」から約90分、または上信越自動車道「碓氷軽井沢IC」から約70分でアクセス可能です。
冬季は積雪量が非常に多く、万座ハイウェーは有料道路ですが、冬期閉鎖期間があるため注意が必要です。
万座温泉|周辺観光
周辺には、万座温泉の硫黄が作り出す独特の景観「空吹(からぶき)」や、硫黄臭が立ち込める遊歩道など、火山活動の痕跡を間近に見られるスポットがあります。
冬季は、万座温泉スキー場でのスキー・スノーボードも楽しめます。また、人気の避暑地「軽井沢」からも比較的近く、ショッピングやグルメを楽しむことも可能です。
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福島温泉旅に便利な交通手段は?
交通手段の選び方
レンタカー vs 公共交通機関
群馬県には多様な観光地・温泉地があるため、交通手段の選択が旅の快適さを大きく左右します。
以下に、レンタカーと公共交通機関のそれぞれの利点をまとめました。
レンタカー
行動範囲が広がり、自由にスケジュールを組めるのが大きなメリットです。
今回紹介した万座温泉や水上温泉郷のように、公共交通機関でのアクセスがやや不便な温泉地や、広範囲に点在する観光スポットを巡りたい場合には非常に便利。
特に山間部の温泉地へは、レンタカーの方がスムーズにアクセスできることが多いです。
ただし、冬季の山間部は積雪量が多く、道路の凍結も頻繁に発生するため、雪道や凍結路面の運転に十分な注意が必要です。
スタッドレスタイヤの装着は必須で、可能であれば四輪駆動車を選びましょう。雪道の運転に不慣れな方は、無理せず公共交通機関の利用を検討することをお勧めします。
また、レンタカーを利用する際は、ガソリン満タン返しが基本となる他、駐車料金等の費用も別途発生することを覚えておきましょう。
公共交通機関
運転の心配がなく、ゆったりと景色を楽しめるのが魅力です。
冬でも安心して移動できますし、草津温泉や伊香保温泉のように駅からのアクセスが良い温泉地もあります。
ただし、運行本数が限られる場合や、乗り換えが必要な場合があるため、行動範囲が限定されることも。各温泉地への直行バス(有料送迎バス含む)を事前に調べておくと、スムーズな移動が可能となります。
意外と忘れがち?温泉マナーと持ち物リスト
日本の温泉には、複数のマナーがあります。
ここでは、そんな温泉マナーの一例をご紹介します。不安に思っている方は、念のため確認しておきましょう。
- 湯船に入る前に、必ずかけ湯で体の汚れを洗い流しましょう。
- タオルは湯船に入れない。頭の上に乗せるとより温泉感UP!
- 髪が長い場合は、湯船に髪が入らないように結びましょう。
- 大声で話す、泳ぐ、などの他者に迷惑をかける行為は控え、静かに利用しましょう。
- 浴室内やロッカースペースでの写真撮影は禁止です。
忘れ物ゼロで安心!温泉旅の持ち物リスト
温泉旅に「あってよかった!」となるアイテムをリストアップしました。
出発前にぜひチェックしてみてください。
◻︎ 温泉手形(あれば)
◻︎ スマートフォン&モバイルバッテリー
◻︎ 着替え
◻︎ 薄手のバスタオル/フェイスタオル
◻︎ 洗面用具(使い慣れたもの)
◻︎ 化粧水・乳液などスキンケア用品
◻︎ 小さくたためるエコバッグ
◻︎ ジップロック/ビニール袋
◻︎ 折りたたみ傘/レインコート
◻︎ 歩きやすい靴
ジップロックやビニール袋は、濡れたタオルや衣類を入れるのに便利です。
また、バスタオルやフェイスタオルは温泉で備えられていることも多いですが、自分用を持っているといざという時に安心。予備として、使い慣れたものを持っていきましょう。
本記事のまとめ
日本有数の温泉王国、群馬県の温泉は、その豊富な湯量と多様な泉質で、旅の疲れを癒し、訪れる人々に忘れがたい感動を提供します。
日本三名泉の草津温泉、情緒あふれる伊香保温泉、雄大な自然に囲まれた水上温泉郷、四万の病を癒すと言われる四万温泉、そして雲上の秘湯・万座温泉──。
それぞれ異なる魅力を持つこれら5つの代表的な温泉地は、まさに群馬の地が育んだ、温泉の多彩な顔ぶれと奥深さを物語っています。
この記事では、各温泉地の泉質や効能、アクセス方法、そして周辺の楽しみ方や旅のプロならではの小ネタまで、詳細に解説してきました。
公式サイトや各温泉協会のウェブサイトで最新情報を確認し、万全の準備で、忘れられない思い出を作ってきてくださいね。