東北地方の広大な面積を誇る岩手県は、豊かな自然と歴史が息づく魅力あふれる地です。
この広大な県土には、それぞれ異なる個性を持つ多種多様な温泉地が点在しています。
山々の懐に抱かれた秘湯から、歴史ある湯治場、そして盛岡からのアクセスが良い人気の温泉郷まで──。
岩手の温泉は、あなたの旅の疲れを癒やし、心に深く刻まれる感動を与えてくれるでしょう。
この記事では、執筆者が旅行代理店で培ってきた経験を活かし、岩手県が誇る代表的な5つの温泉地を厳選してご紹介します。
各温泉地の泉質や効能、アクセス方法、そして周辺のおすすめ観光スポットや知って嬉しい小ネタまで、旅のプロならではの視点で徹底解説。
この記事を読むことで、あなたの理想の温泉地が見つかるはずです。
ぜひ最後までご覧ください。
【岩手県】おすすめ温泉地5選
ここからは、岩手県を代表する5つの温泉地を、旅のプロならではの視点で詳しくご紹介します。
それぞれの温泉地の魅力や特徴を知って、あなたの理想の温泉地を見つけてくださいね。
1. つなぎ温泉
つなぎ温泉-「盛岡つなぎ温泉観光協会(https://www.tsunagionsen.com/)」より引用。
岩手県の県庁所在地・盛岡市から車で約20分と、抜群のアクセスを誇るつなぎ温泉は、雄大な岩手山を望む御所湖のほとりに広がる温泉地です。
豊富な湯量と多彩な泉質、そして大小様々な宿泊施設が揃い、観光客から地元の人々まで幅広く愛されています。
盛岡観光と合わせて気軽に立ち寄れる、利便性の高さも大きな魅力です。
つなぎ温泉|泉質と効能
つなぎ温泉の代表的な泉質は、アルカリ性単純温泉です。
無色透明で無臭の場合が多く、刺激が少ないため肌に優しく、特に美肌効果が期待できる「美人の湯」として親しまれています。
肌の角質を柔らかくし、しっとりとした潤いを与えてくれると言われています。
疲労回復、神経痛、筋肉痛、冷え性、健康増進などにも効能があるとされます。湯上りには肌がツルツルになる感覚を味わえるでしょう。
つなぎ温泉|魅力と特徴
つなぎ温泉の最大の魅力は、盛岡市内からの抜群のアクセスと、御所湖畔に広がる開放的なロケーションです。
多くの宿から四季折々の御所湖の景色を眺められ、特に新緑の季節や紅葉の時期は絶景が広がります。
また豊富な湯量を誇り、日帰り入浴が可能な施設も多いので、盛岡観光のついでに気軽に立ち寄って温泉を楽しむことができますよ。
温泉街には、足湯や手湯スポットも点在しているため、散策しながら温泉情緒に触れるのも◎
大型の温泉ホテルから、落ち着いた雰囲気の旅館まで、多様な宿泊施設から旅のスタイルに合わせて選べるのも嬉しいポイントですよね。
つなぎ温泉|アクセス
つなぎ温泉は、盛岡市繋に位置しています。
JR盛岡駅からは岩手交通バス「繋」または「つなぎ温泉」行きに乗車し、約30分で到着します。
盛岡ICからも車で約15分とアクセスが良いため、レンタカーでの訪問も便利。
盛岡市内からも日帰り圏内なので、観光と合わせて温泉を楽しみたい方におすすめです。
つなぎ温泉|周辺観光
周辺には、岩手の伝統工芸品作りを体験できる「盛岡手づくり村」があり、南部鉄器や染物など、お土産探しにも最適です。
広大な敷地に動物と触れ合える牧場や美しい庭園が広がる「小岩井農場まきば園」も押さえておきたいところ。
また、盛岡市街地には、日本の歴史を感じられる「盛岡城跡公園」や、雄大な「岩手山」を望む展望スポットもあります。
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2. 花巻温泉郷
花巻温泉郷-「花巻観光協会公式サイト(https://www.kanko-hanamaki.ne.jp/)」より引用。
岩手県中央部に位置する花巻温泉郷は、宮沢賢治ゆかりの地としても知られる、歴史と文学、そして豊かな自然が調和した温泉地です。
花巻温泉、台温泉、大沢温泉、鉛温泉など、複数の個性豊かな温泉地が集まっており、それぞれ異なる泉質や雰囲気を持っています。
古くから湯治場として栄え、今もなおその文化が色濃く残る、奥深い魅力を持つ温泉郷です。
花巻温泉郷|泉質と効能
花巻温泉郷には、それぞれの温泉地によって多彩な泉質が湧き出ています。
代表的なものとしては、単純温泉、硫黄泉、食塩泉、炭酸水素塩泉などです。
単純温泉は肌に優しく、疲労回復や神経痛に良いとされます。
硫黄泉は慢性皮膚病やリウマチ、高血圧に、食塩泉は体を芯から温め、湯冷めしにくいのが特徴です。
温泉郷全体で多様な泉質を楽しめるため、湯めぐりをして自分に合った湯を見つけるのも楽しみ方の一つです。
花巻温泉郷|魅力と特徴
花巻温泉郷の魅力は、何と言っても個性豊かな複数の温泉地からなる多様性です。
豪華なホテルが立ち並ぶ「花巻温泉」から、昔ながらの木造湯治宿が残る「台温泉」や「鉛温泉」、渓流沿いの露天風呂が魅力の「大沢温泉」など、旅のスタイルに合わせて選べます。
特に「鉛温泉」の「白猿の湯」は、自噴する足元湧出の立ち湯で、その趣は格別です。
また、花巻は宮沢賢治ゆかりの地であり、温泉と合わせて賢治の作品世界に触れる文学的な旅も楽しめます。
田園風景や渓流に囲まれた豊かな自然も、旅の疲れを癒してくれるでしょう。
花巻温泉郷|アクセス
花巻温泉郷は、花巻市湯本、台、鉛、大沢などに位置しています。
最寄り駅は、JR花巻駅または新花巻駅。それぞれから路線バスや各旅館の送迎バスが運行しています。
JR花巻駅から花巻温泉へはバスで約20分、鉛温泉へは約40分です。
いわて花巻空港からもアクセスしやすいため、遠方からの移動は空路もおすすめ。
自家用車やレンタカーを利用すれば、温泉郷内の移動や周辺観光がよりスムーズになります。
花巻温泉郷|周辺観光
周辺には、宮沢賢治の世界を体験できるテーマパーク「宮沢賢治童話村」や、彼の生涯と作品を紹介する「宮沢賢治記念館」があります。
これらのスポットを巡ることで、宮沢賢治の作品に込められた世界観をより深く理解できるかも?
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3. 八幡平温泉郷
岩手県と秋田県にまたがる雄大な八幡平の麓に広がる八幡平温泉郷は、手つかずの自然の中に点在する温泉群です。
特に松川温泉や藤七温泉などは、その高い秘湯感と、硫黄の香りが漂う濃厚な湯質が魅力。
登山やスキー、トレッキングといったアクティビティと合わせて、大自然に抱かれた温泉を満喫したい方に最適な場所です。
八幡平温泉郷|泉質と効能
八幡平温泉郷の主要な泉質は、硫黄泉や単純硫黄泉です。
火山活動が活発な地域であるため、硫黄成分が豊富に含まれ、白濁した湯が特徴的。慢性皮膚病、リウマチ、高血圧、糖尿病、動脈硬化症などに良いとされ、体を温めて血行を促進する効能が期待できます。
硫黄の匂いが強めのため、他のどの温泉よりも「温泉に来た!」という実感が湧くこと間違いなし。
湯の花が舞う湯船も、自然の恵みを感じさせます。
八幡平温泉郷|魅力と特徴
八幡平温泉郷の魅力は、何と言っても雄大な八幡平の自然に抱かれた秘湯感です。
八幡平アスピーテライン沿いに点在する温泉宿は、それぞれが個性豊かな湯船とロケーションを持っています。
特に露天風呂からは、四季折々の八幡平の山々や、時には湯煙が立ち上る光景を望むことができ、開放感たっぷりの入浴を楽しめます。
春の新緑、夏の高山植物、秋の紅葉、そして冬の雪景色と、一年を通して異なる表情を見せる自然の中で、心身ともにリフレッシュできるはず。
また、登山やスキーなどのアクティビティの後に温泉に浸かる体験は、何にも形容し難い最高の贅沢です。
八幡平温泉郷|アクセス
八幡平温泉郷は、八幡平市 松尾寄木などに位置しています。
最寄りの主要駅はJR盛岡駅で、盛岡駅からは岩手県北バス「八幡平マウンテンホテル」行きなどに乗車し、約1時間15分〜2時間かかります。
八幡平アスピーテラインは冬季閉鎖されるため、アクセス方法は季節によって大きく異なります。
自家用車やレンタカーを利用する場合は、東北自動車道「松尾八幡平IC」からアクセスできますが、冬期は雪道運転に十分な注意が必要です。
八幡平温泉郷|周辺観光
周辺には、絶景ドライブが楽しめる「八幡平アスピーテライン」があり、特に雪解け時期には「八幡平ドラゴンアイ」と呼ばれる神秘的な雪の目を見ることができます。
松川渓谷は、秋の紅葉が美しい景勝地です。
冬には「八幡平リゾートスキー場」でスキーやスノーボードを楽しめるため、アクティブに過ごしたい方にもおすすめです。
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4. 鶯宿温泉
盛岡市内から車で約30分と、アクセスしやすい立地でありながら、豊かな自然に囲まれた鶯宿(おうしゅく)温泉。
その名の通りウグイスが傷を癒したという伝説が残る、歴史ある温泉郷です。
比較的規模の大きな温泉宿が多く、それぞれの宿が趣向を凝らした多彩な湯船や充実した施設を誇り、快適な温泉滞在を提供してくれます。
鶯宿温泉|泉質と効能
鶯宿温泉の主要な泉質は、単純温泉ですが、宿によっては硫黄泉なども楽しめます。
単純温泉は肌に優しく、刺激が少ないため、老若男女問わず安心して入浴可能です。効能としては、疲労回復、神経痛、筋肉痛、冷え性、健康増進などに良いとされます。
また、「美肌の湯」としても知られており、入浴後には肌がしっとりすると言われています。
鶯宿温泉|魅力と特徴
鶯宿温泉の魅力は、盛岡市から近いというアクセスの良さです。
都会の喧騒から離れて、手軽に温泉リゾート気分を味わえます。
温泉郷内には、趣の異なる様々な温泉宿が点在しており、各宿が趣向を凝らした多彩な湯船や広い露天風呂を備えているのが特徴です。
家族連れやグループ旅行にも対応できる大型施設も多く、充実した滞在を楽しめます。
温泉街は活気があり、土産物店や飲食店も充実。また、四季折々の自然の移ろいを感じながらの入浴は、心を癒してくれます。特に春の桜、秋の紅葉は格別です。
鶯宿温泉|アクセス
鶯宿温泉は、盛岡市 繋鶯宿に位置しています。
JR盛岡駅からは岩手交通バス「鶯宿温泉」行きに乗車し、約40分で到着します。
東北自動車道の盛岡ICからも車で約20分とアクセスが良いため、自家用車やレンタカーでの訪問も非常に便利です。
多くの宿が送迎サービスを提供している場合もあるので、予約時に確認してみると良いでしょう。
鶯宿温泉|周辺観光
周辺には、隣接するつなぎ温泉とともに、美しい御所湖畔に広がる「御所湖広域公園」があります。ここでは、湖でのアクティビティや公園での散策を楽しむことができますよ。
また、冬には、近くの「岩手高原スノーパーク」でスキーやスノーボードが楽しめるため、ウィンタースポーツと温泉を組み合わせた旅も可能です。
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5. 平泉温泉
岩手県南部に位置する平泉温泉は、世界遺産に登録された「平泉」の貴重な文化遺産を巡る観光の拠点として最適な温泉地です。
温泉自体は比較的新しいものですが、長い歴史を持つ平泉の文化と、現代の温泉が融合した新たな魅力を持っています。
観光と癒しを両立させたい方にはぴったりの場所と言えるでしょう。
平泉温泉|泉質と効能
平泉温泉の主な泉質は単純温泉です。
無色透明で無臭の場合が多く、肌への刺激が少ないため、どなたでも安心して入浴可能。疲労回復、健康増進、神経痛、筋肉痛、冷え性などに効能があると言われています。
世界遺産の歴史と文化に触れた後、温泉で心身を癒すことで、旅の充実感をさらに高めることができるでしょう。
平泉温泉|魅力と特徴
平泉温泉の最大の魅力は、なんといっても世界遺産「平泉」の観光拠点として、抜群の立地を誇ることです。
中尊寺や毛越寺といった主要な世界遺産構成資産から非常に近く、観光で疲れた体をすぐに温泉で癒すことができます。比較的新しい温泉地ではありますが、周辺の豊かな自然とも調和した落ち着いた環境が魅力です。
観光客のニーズに応える宿泊施設が揃っており、食事には地元の食材を活かした料理が提供される宿も多く、平泉の文化と食も合わせて楽しめます。
歴史と文化、そして温泉の癒しを一度に満喫したい方には最適な場所です。
平泉温泉|アクセス
平泉温泉は、西磐井郡 平泉町に位置しています。
JR平泉駅が最寄駅で、平泉駅からは中尊寺まで徒歩約25分、毛越寺まで徒歩約10分と、主要な観光地へのアクセスは良好です。
レンタサイクルや、平泉町内を巡回する「るんるん」バスも利用できます。東北自動車道の平泉前沢ICからも車で約15分と、自家用車やレンタカーでのアクセスも便利です。
平泉温泉|周辺観光
周辺には、言わずと知れた世界遺産「中尊寺」(金色堂、弁慶堂など)や、美しい浄土庭園が特徴の「毛越寺」があります。
その他、「高館義経堂」や「無量光院跡」など、奥州藤原氏の栄華を今に伝える貴重な歴史的遺産が点在しており、歴史好きにはたまらない地域です。
時間をかけてゆっくりと、これらの世界遺産構成資産を巡るのがおすすめです。
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岩手温泉旅に便利な交通手段は?
交通手段の選び方
レンタカー vs 公共交通機関
岩手県は広大なため、交通手段の選択が旅の快適さを大きく左右します。
レンタカー
行動範囲が広がり、自由にスケジュールを組めるのが大きなメリットです。
今回ご紹介した八幡平温泉郷のように、公共交通機関の本数が限られる温泉地や、広範囲に点在する観光スポットを巡りたい場合には非常に便利です。
しかし、特に冬季の岩手は積雪量が多く、道路の凍結も頻繁に発生するため、雪道や凍結路面の運転に十分な注意が必要です。スタッドレスタイヤの装着は必須で、可能であれば四輪駆動車を選びましょう。
雪道の運転に不慣れな方は、無理せず公共交通機関の利用を検討することをお勧めします。
また、レンタカーを利用する際は、ガソリン満タン返しが基本となる他、駐車料金等の費用も別途発生することを覚えておきましょう。
公共交通機関
運転の心配がなく、ゆったりと景色を楽しめるのが魅力です。
冬でも安心して移動できますし、つなぎ温泉や平泉温泉のようにJR駅からのバスアクセスが良い温泉地もあります。
ただし、運行本数が限られる場合や、乗り換えが必要な場合など、行動範囲が限定されることも。
各温泉地への直行バス(有料送迎バス含む)を事前に調べておくことで、スムーズな移動が可能です。
意外と忘れがち?温泉マナーと持ち物リスト
日本の温泉には、複数のマナーがあります。
ここでは、そんな温泉マナーの一例をご紹介します。不安に思っている方は、念のため確認しておきましょう。
- 湯船に入る前に、必ずかけ湯で体の汚れを洗い流しましょう。
- タオルは湯船に入れない。頭の上に乗せるとより温泉感UP!
- 髪が長い場合は、湯船に髪が入らないように結びましょう。
- 大声で話す、泳ぐ、などの他者に迷惑をかける行為は控え、静かに利用しましょう。
- 浴室内やロッカースペースでの写真撮影は禁止です。
忘れ物ゼロで安心!温泉旅の持ち物リスト
温泉旅に「あってよかった!」となるアイテムをリストアップしました。
出発前にぜひチェックしてみてください。
◻︎ 温泉手形(あれば)
◻︎ スマートフォン&モバイルバッテリー
◻︎ 着替え
◻︎ 薄手のバスタオル/フェイスタオル
◻︎ 洗面用具(使い慣れたもの)
◻︎ 化粧水・乳液などスキンケア用品
◻︎ 小さくたためるエコバッグ
◻︎ ジップロック/ビニール袋
◻︎ 折りたたみ傘/レインコート
◻︎ 歩きやすい靴
ジップロックやビニール袋は、濡れたタオルや衣類を入れるのに便利です。
また、バスタオルやフェイスタオルは温泉で備えられていることも多いですが、自分用を持っているといざという時に安心。予備として、使い慣れたものを持っていきましょう。
本記事のまとめ
東北地方の広大な大地に抱かれた岩手県の温泉は、訪れる人々に深い癒やしと感動を与えてくれる特別な存在です。
盛岡からのアクセスが良いつなぎ温泉、宮沢賢治も愛した花巻温泉郷、雄大な八幡平の自然を満喫できる八幡平温泉郷、多彩な湯船が魅力の鶯宿温泉、そして世界遺産観光の拠点となる平泉温泉──。
それぞれ異なる魅力を持つこれら5つの代表的な温泉地は、まさに岩手の温泉文化を象徴しています。
この記事では、各温泉地の泉質や効能、アクセス方法、そして周辺の楽しみ方や旅のプロならではの小ネタまで、詳細に解説してきました。
公式サイトや各温泉協会のウェブサイトで最新情報を確認し、万全の準備で、忘れられない思い出を作ってきてくださいね。