ケイド・スミスは、クラセ不在のクリーブランド・ガーディアンズでクローザーに定着したリリーフ投手です。
ドラフト指名から漏れつつも、実力でマイナーリーグから這い上がった彼は、ガーディアンズでもトップクラスの安定感を誇る投手。
本記事では、そんなケイド・スミスの基本情報、プレースタイル、そしてこれまでのキャリアや年俸、成績について、詳しく解説していきます。
【ケイド・スミスとは?】
- クリーブランド・ガーディアンズのクローザー
- 高い奪三振能力を有し、マイナー時代の2023年にWBCカナダ代表に選出
- 2024年にメジャーデビューし、いきなりサイ・ヤング賞投票9位
ケイド・スミスの基本情報
ケイド・ジャレッド・ベンジャミン・スミス(Cade Jared Benjamin Smith)。
1999年5月9日生まれ、カナダのブリティッシュコロンビア州アボッツフォード出身。
クリーブランド・ガーディアンズに所属するリリーフ投手であり、背番号は36番です。
ケイド・スミスの経歴
ケイド・スミスは、高校時代(2017年)のMLBドラフトで、ミネソタ・ツインズから16巡目(全体466位)で指名されたものの、プロ入りはせずハワイ大学マノア校へ進学。
大学野球を経てプロ入りを目指すも、2020年のMLBドラフトでは指名漏れとなってしまいます。
その結果、スミスは、アマチュアFAでクリーブランド・ガーディアンズと契約を結びました。
2021年、プロデビュー初年度のケイド・スミスは、ガーディアンズ傘下のA級、A+級で合計33試合にリリーフ登板。
2勝3敗5S、防御率3.98、K/9(奪三振率)14.23と、高い奪三振能力でセットアッパーやクローザーとして存在感を示します。
K/9(奪三振率)とは?
投手が9イニングを投げたと仮定した場合、平均して何個の三振を奪えるかを示す指標です。この数値が高いほど、三振を多く奪える優秀な投手と評価されます。
詳しくは以下の記事を参照ください。

WBCカナダ代表デビューまで
2022年は、A+級、AA級で44試合にリリーフ登板し、4勝2敗13S、防御率2.93、K/9は14.53と相変わらずの奪三振能力を見せつけます。
続く2023年には、マイナー最上位のAAA級を含む47試合にリリーフ登板し、5勝3敗15S、防御率4.02という成績。
AAA級の洗礼か、防御率こそ悪化したものの、K/9は14.61と、十分に通用することを示しました。
同年、スミスはWBCカナダ代表にも選出されています。
メジャーデビュー
2024年、マイナーでの高い奪三振能力が評価され、開幕からロースター入りを果たします。
同年3月30日、オークランド・アスレチックス戦でメジャーデビュー。救援登板したスミスは、2回5奪三振と素晴らしい成績でデビュー戦を飾りました。
この年のスミスは、新人王投票5位、サイ・ヤング賞投票9位にも選ばれています。
クローザーへ
2025年も、開幕からのロースター入りを果たしたケイド・スミス。
シーズン序盤こそ6〜7回を投げるミドルリリーバー(中継ぎ)色の濃い起用法でしたが、徐々に”絶対的守護神”エマニュエル・クラセに繋ぐセットアッパーとしての起用が増え始めます。

そして、7月28日。クラセが野球賭博への関与疑惑で8月31日まで”有給扱い”となり、ケイド・スミスが繰り上げでクローザーの位置に定着。若きスミスの今後に期待されます。
ケイド・スミスの契約・年俸
ケイド・スミスは、ガーディアンズと1年間の契約を結んでおり、2025年シーズンの年俸は78万5,100ドル(約1億1千万円)です。
MLBにおける最低保証年俸(76万ドル)に近い金額であり、今後の活躍で更なる年俸アップが見込まれます。
(出典:https://www.spotrac.com/mlb/player/_/id/48595/cade-smith)
ケイド・スミスのプレースタイル
ケイド・スミスは、フォーシーム、スプリッター(フォーク)、スイーパーの3球種を操ります。
特にフォーシームとスプリッターは、同じフォーム、同じ軌道で放たれるため、打者はボールが変化する直前まで球種の見分けがつきません。
加えてスミスは、エクステンションにも優れ、これが彼のフォーシームをより速い球に見せています。
エクステンションとは?
ピッチャーがボールを投げる”リリースポイント”のこと。つまりは、「プレートからどれだけ遠くでボールを放ったか」という概念です。この距離が長いほど、「球持ちが良い」とも表現されます。
なお、2025年におけるケイド・スミスのフォーシームは、少なくとも100打席以上放っている投手の中で、No.1の空振り率(=Wiff%)を誇ります。※本記事執筆時点。
また、メンタルが安定しており、ランナーを背負った状況でもブレない投球を続ける点もスミスの”強み”にして”魅力”。その高いクローザー適性をフル活用し、クラセ以上の”最強守護神”を目指します。
ケイド・スミスの成績
ここでは、ケイド・スミスのこれまでの成績について、特に印象深いシーズンを抜粋してご紹介します。
【2024年のケイド・スミス】簡単なタイトル
2024年のケイド・スミスは、74登板で6勝1敗1S、防御率1.91、WHIP 0.90、K/9 12.31と素晴らしい成績。
その結果、新人賞投票5位、サイ・ヤング賞投票9位と、メジャーデビュー年ながら素晴らしいシーズンとなりました。
大学在学中にはドラフト指名されず、マイナーリーグから這い上がることとなったスミス。
2024年の活躍は、そんな彼の評価を確固たるものとしました。