ギャレット・クロシェは、時速100マイルを超える剛速球と鋭い変化球で打者を圧倒する先発投手です。
元々はリリーフ投手としてキャリアをスタートさせたクロシェですが、2024年に先発へ転向。以降、目覚ましい活躍を重ね、一躍メジャー屈指の左腕へと進化を遂げました。
本記事では、そんなギャレット・クロシェの基本情報、プレースタイル、そしてこれまでのキャリアや年俸、成績について、詳しく解説していきます。
【ギャレット・クロシェとは?】
- 2024年に先発へと転向した、元リリーフ投手
- 最速100マイルを超える速球と変化球で打者を圧倒
- 今季はメジャー全体でもトップクラスの奪三振数
- マイナーを経ずにメジャーデビューを果たした異色の経歴を持つ
ギャレット・クロシェの基本情報
ギャレット・ノーラン・クロシェ(Garrett Nolan Crochet)。
1999年6月21日生まれ、アメリカ合衆国ミシシッピ州オーシャンスプリングス出身。
ボストン・レッドソックスに所属する左腕投手であり、背番号は35番です。
ギャレット・クロシェの経歴
高校時代、ミルウォーキー・ブリュワーズからドラフト34巡目で指名されたギャレット・クロシェは、プロ入りせずテネシー大学へ進学。大学野球に打ち込み、2020年のMLBドラフトでシカゴ・ホワイトソックスから1巡目指名(全体11位)を勝ち取ります。
そしてクロシェは、ドラフト指名と同年の9月18日、シンシナティ・レッズ戦でマイナーを経ずメジャーデビュー。完全にプロ経験がない状態からのメジャーデビューは、1978年以来の快挙です。
その後、2022年のトミー・ジョン手術を挟みつつも、リリーフとして順調に経験を積んだクロシェ。
2024年、彼に転機が訪れます。
元より先発を希望していたクロシェは、GMとの話し合いの末、開幕からの先発起用が決定。同時に「開幕投手」にも選ばれたのです。
32試合に登板したクロシェは、6勝12敗、防御率3.58、WHIP 1.07、209奪三振を記録。
援護にこそ恵まれなかったものの、リーグ4位の奪三振数を含めて優秀な成績を残しており、オールスターへの初選出も経験しました。

2024年12月、クロシェはボストン・レッドソックスへと移籍。
続く2025年シーズンは開幕から並に乗っており、前年のサイ・ヤング賞投手であるタリク・スクバルにも引けを取らない投球を見せ続けています。

ギャレット・クロシェの契約・年俸
2024年シーズン終了後、レッドソックスへと移籍したギャレット・クロシェは、翌年3月に契約を延長。
6年総額1億7千万ドル(約255億円)で同意しています。
なお、今季年俸は380万ドル(約5億7千万円)です。
(出典:https://www.spotrac.com/mlb/player/_/id/48366/garrett-crochet)
ギャレット・クロシェのプレースタイル
2025年のクロシェのプレースタイルとして、これまで投球の軸としていたフォーシームの割合を減らし、配球の多様化が見られるようになりました。
2024年シーズンは53.6%の投球割合であったフォーシームですが、2025年の本記事執筆時点では40.3%にまで抑えています。
その分、クロシェが投球割合を増やしたのは、シンカーとスイーパーです。
昨シーズンと比べて使用率を合計14.7%まで高めた両球種は、非常に良質な変化球。打球を弱める効果に優れており、仮に打たれたとしてもゴロに仕留める割合が高くなっています。
また、クロシェの強みはリーグトップクラスの奪三振数にもあります。同リーグではタリク・スクバルに並ぶ三振の数を誇り、気迫あふれるピッチングは、チームの危機を幾度となく救いました。
ギャレット・クロシェの成績
ここでは、ギャレット・クロシェのこれまでの成績について、特に印象深いシーズンを抜粋してご紹介します。
【2024年のクロシェ】先発への転向
上述の通り、2024年に先発転向を果たしたギャレット・クロシェ。
規定投球回は未達ながら、32試合に先発し、146回を投げました。勝敗は6勝12敗と振るわず、防御率も3.58と特筆すべき数字ではないものの、209奪三振(K%:12.9)と投球回に対して素晴らしい数字。
また、WHIP 1.07、FIP 2.69と、投手本人のポテンシャルは素晴らしいものであったことを示しました。

オールスターへの初選出も果たしており、先発1年目としては十分過ぎる活躍です。
【2025年のクロシェ】凄まじいシーズン
2025年のギャレット・クロシェは、素晴らしいシーズンを送っています。
本記事執筆時点での成績は、22先発で141.1回を投げて12勝4敗、防御率2.23、WHIP 1.09、175奪三振。
防御率、奪三振数はタリク・スクバルに次ぐリーグ2位、勝利数はメジャー1位タイです。
2024年から2年連続でのオールスター選出も果たし、1度の完封も記録するなど、まさにサイ・ヤング級のシーズンを送っています。
果たしてクロシェは、「スクバル」という高過ぎる壁を越え、サイ・ヤング賞という栄冠を手にすることができるのでしょうか。