フランスの画家、ポール・ゴーギャンの名を冠する「ル・ポール・ゴーギャン」。
浅瀬を航行できるよう設計されているこの船は、ゴーギャンが愛した「タヒチ」を含む、フランス領ポリネシアと南太平洋の島々を巡る、小型ラグジュアリー船です。
本記事では、そんな「ル・ポール・ゴーギャン」の特徴と魅力について、詳しくご紹介します。
ル・ポール・ゴーギャン|概要

ル・ポール・ゴーギャン|画像提供©︎PONANT
「ル・ポール・ゴーギャン」では、主にフランス領ポリネシアの島々を巡るクルーズ船です。
2019年にポナンが買収した同船は、南太平洋の隅々まで探索できるよう設計されており、大型船では入れない小さな港にも寄港可能。ひっそりと佇む無人島をはじめ、魅力溢れる様々な島へ、ゲストを送り届けます。
また、「ル・ポール・ゴーギャン」には、ポリネシア人スタッフの「ゴギンズ」「ゴーギャンズ」が乗船。
船上での歌やワークショップ、ダンスレッスンなどを通じて、ゲストはポリネシアの豊かな文化にどっぷりと浸かることができます。
シップデータ
以下に、「ル・ポール・ゴーギャン」のシップデータをまとめました。
就航:1998年/改装:2025年
船籍:フランス
巡航速度:18kn (33.3km/h)
総トン数:19,200gt
全長:156m/全幅:22m
乗客定員:330名/乗組員数:209名
乗組員(クルー)1人あたりの乗船客(ゲスト)数を指す「サービス(クルー)・レシオ」は、ラグジュアリー水準の1.58。
この数値は、約1.5人のゲストに対して1人のクルーがつくことを表しており、質が高く、きめ細かいサービスが期待されます。
また、ゲスト1人辺りの占有トン数を指す「スペース・レシオ」は、こちらも同じくラグジュアリー水準の58.18(gt)。
※一般的に60gt〜がラグジュアリークラスとされる。
ラグジュアリークラスのゆとりある船内で、理想的なクルーズ旅行が実現します。
ル・ポール・ゴーギャン|特徴
ここでは、「ル・ポール・ゴーギャン」の特徴をご紹介します。
2025年に大改装

ル・ポール・ゴーギャン|画像提供©︎PONANT
1998年の就航以来、2021年に改装を経験している「ル・ポール・ゴーギャン」。
しかし、船舶の内外にさらなる”ポナンらしさ”を施すべく、2025年2月から7週間の間ドック入りし、数100万ドル規模の改装工事が行われました。
外装デザイン

ル・ポール・ゴーギャン(改装前)|画像提供©︎PONANT
白を基調とした船体にビビットな水色がアクセントとなっていた従来の外装デザインは、改装を経て、よりポナンらしい落ち着いた色味に。
また、ファンネル(煙突)の「P」マーク(ポール・ゴーギャンの頭文字)は、ポナンを象徴する3枚の帆のロゴに変更。
これにより、ポナンの船列に違和感なくフィットする見た目となりました。
ちなみに、長年親しまれてきた「P」マークは削除されたわけではなく、デッキ8前方部分へと移動しています。
内装
内装面では、屋外デッキレストランの「ル・グリル」や、プールデッキなどに手が加えられました。
加えて、船内装飾品が現代的なものへと刷新された他、新たなコネクティングスイートルームが増設されるなど、改装で手が加えられた部分は多岐に渡ります。
また、”ポナンらしさ”の一環として、「ル・ポール・ゴーギャン」はエネルギー消費を大幅に削減する構造を複数追加。
さらには、ペットボトル飲料削減を目的とする真水が生成可能な海水処理システムや、廃棄物を適切に管理するためのガラス粉砕機・段ボール圧縮機など、環境に配慮した装置も追加されています。
オールインクルーシブ
「ル・ポール・ゴーギャン」の大きな特徴の1つは、オールインクルーシブである点です。
朝昼夕の食事はもちろん、一部を除くドリンク類や船内Wi-Fi、チップに至るまでが料金に含まれており、煩わしいことは忘れて、魅力的な船上体験に全力で身を委ねることができます。
ちなみに、ポナンでは他のクルーズ船でもオールインクルーシブ制が採用されているものの、船内チップは下船時に支払いが必要。チップも料金に含まれているのは「ル・ポール・ゴーギャン」だけです。
なお、スキューバダイビングやショア・エクスカーション(寄港地観光)等は、別途料金が発生します。
モアナ・エクスプローラー・プログラム
「モアナ・エクスプローラー・プログラム」は、7〜15歳向けの無料プログラム。
※クルーズ予約時の申し出が必要
南太平洋の海洋教育・保護財団「テ・マナ・オ・テ・モアナ」と共同実施されており、体験型のアクティビティを通じて、自然の脅威とユニークな文化を学ぶことができます。
内容は旅程によるものの、水中生物の探索や水中実験、ナチュラル・ジュエリーの制作、宝探しなど、実施内容は様々。
子どもの好奇心をくすぐるプログラムの数々は、英語、もしくはフランス語によって提供されています。
家族乗船も大歓迎の「ル・ポール・ゴーギャン」で、ファミリークルーズはいかがですか。
日本人ウェルカム
「ル・ポール・ゴーギャン」では、日本人コーディネーターの乗船日が設定されています。
※日本人ゲストが10名以上の場合のみ最高。
言葉の垣根を超えて、タヒチの魅力を五感で感じる旅へ出発しませんか。
また、「ル・ポール・ゴーギャン」の発着地であるパペーテは、成田空港からの直行便が就航している「ファアア国際空港」から約5kmの距離。
日本からのアクセスの良さも、日本人に同船がおすすめな理由の1つです。
【ポナン・クルーズサロン】
ポナンは、日本でも独自のクルーズ説明会を開催しています。
直近では、「第8回ポナン・クルーズサロン」が2025年9月12日に東京都で開催。
予約や詳細の問い合わせは、ポナンの公式サイトから。
ル・ポール・ゴーギャン|施設
ここでは、「ル・ポール・ゴーギャン」の魅力的な船内施設の一部をご紹介します。
パブリックエリア
プール

プール|画像提供©︎PONANT
2025年の改装で、全面的にブラッシュアップされたプールデッキ。
プールサイドでは、白亜の天蓋が日差しを遮り、カバナのような空間を演出しています。
大海原を眺めつつ、プールバーで軽食を頬張りながら、リラックスしたひとときを。
ピアノバー

ピアノバー|画像提供©︎PONANT
明るくも落ち着いた雰囲気を醸し出すピアノバーでは、各種ドリンクをお供に、リラックスした時間を過ごせます。
読書やボードゲームなど、過ごし方はあなた次第。
ル・グランサロン
「ル・グランサロン」は、「ル・ポール・ゴーギャン」におけるエンターテインメントの発信地。
ピアニストによる演奏やロックバンドの演奏などが、航海中の夜を彩ります。
特に、ポリネシア人スタッフ「ゴギンズ」「ゴーギャンズ」による”オテア”※のショーは必見です。
※ドラムに合わせて踊る、ポリネシア人の伝説を表したタヒチアンダンスショー
レストラン
「ル・ポール・ゴーギャン」では、パリの有名シェフ監修の「ラ・ベランダ」を含む、3種類のレストランがゲストを迎えます。
ポリネシアの魅力を、味覚でも味わって。
ラ・ベランダ

レストラン「ラ・ベランダ」|画像提供©︎PONANT
「ラ・ベランダ」では、オーシャンビューの絶景を望む空間で、朝食、昼食ビュッフェが提供されています。
ディナータイムには、エレガントな雰囲気のスペシャリティ・レストランに変身。
ミシュラン星付きレストラン「アピシウス」のシェフ、ジャン=ピエール・ヴィガト氏監修のキュイジーヌを堪能できます。
利用には、船上での事前予約が必要です。
ル・グリル

レストラン「ル・グリル」|画像提供©︎PONANT
プールサイドに位置するカジュアルレストラン「ル・グリル」。
改装によって、より現代的でスタイリッシュなデザインへと生まれ変わったこのレストランでは、朝食・昼食ビュッフェが楽しめます。
ディナータイムではくつろぎやすい雰囲気の中、ポリネシアングリル料理を提供。
船上での事前予約が必要です。
レトワール

レストラン「レトワール」|画像提供©︎PONANT
メインダイニング「レトワール」は、ディナータイムにオープンする予約不要のレストラン。
オープンシーティングであり、ゲストは好きな時間に夕食を楽しむことができます。
洗練された雰囲気の中、ポリネシアの郷土料理はもちろん、世界各国の味を無料のペアリングワインとともに。
ル・ポール・ゴーギャン|客室

グランドスイート|画像提供©︎PONANT
「ル・ポール・ゴーギャン」の客室タイプは、以下の通りです。
- オーナーズ スイート
- グランド スイート
- ベランダ スイート
- ベランダ ステートルーム
- バルコニー ステートルーム
- ウィンドウ ステートルーム(角窓)
- ウィンドウ ステートルーム(丸窓)
※ベランダ・ステートルーム以上の客室にはバトラーサービスがつきます。
客室の特徴

バルコニー ステートルーム||画像提供©︎PONANT
「ル・ポール・ゴーギャン」の客室は、全室がオーシャンビュー。
また、”バルコニー ステートルーム”以上の全ての客室(全体の70%)には、プライベートバルコニーが備えられています。
ポリネシアの美しい島々を巡るクルーズにおいて、プライベート空間から景色を眺めるひとときは格別。
また、ほとんど全ての客室にバスタブが配されているのは、日本人にとって嬉しいポイントです。
※一部客室はシャワーブースのみ
「よいたび。」のおすすめ客室

ベランダ ステートルーム|画像提供©︎PONANT
「ル・ポール・ゴーギャン」のおすすめ客室は、無料のバトラーサービスが利用可能な「ベランダ ステートルーム」以上の客室タイプです。
客船に足を踏み入れた際の荷解き。
乗船中にはレストランやスパの予約。
ルームサービスの利用から、最後には荷造りまで。
部屋付のバトラーは、あなたのクルーズライフを支える良き”執事”となってくれます。
ル・ポール・ゴーギャン|その他情報
ここでは、「ル・ポール・ゴーギャン」の予約方法や注意事項についてまとめています。
予約方法
「ル・ポール・ゴーギャン」での船旅は、ポナン公式サイトから予約可能です。
また、日本人コーディネーター乗船日は、以下のデジタルパンフレットページをご参照ください。
コンシェルジュデスク
「PONANT コンシェルジュデスク」では、メインとなるポナンの各クルーズはもちろんのこと、航空券やホテル、送迎などの手配が可能です。
手配内容には現地オプショナルツアーも含まれており、至れり尽くせり。
自分だけのクルーズ旅行を実現させたい方は、ぜひ「PONANT コンシェルジュデスク」の利用をご検討ください。
代金に含まれるもの
クルーズ代金には、以下の内容が含まれています。
- 出発から到着までの食事
- ティータイムの軽食や食前酒、アペタイザーなど
- レストラン、バー、ミニバーのドリンク
※一部有料 - 24時間のルームサービス
- バトラーサービス(一部客室)
- 船内Wi-Fi(無制限)
- パーティー、ショー、その他エンターテインメント
- ポリネシアの専門家による講演
- フィットネスセンターとスチームルーム
- マリーナアクセスポイントからのアクティビティ
- シュノーケリング道具の無料レンタル
- 船内チップ
- 港湾勢および保安料
※スキューバダイビングとエクスカーションは追加料金がかかります。
ポリネシアを巡る全日程
- ポリネシア人クルーによるサポート
- モツ・マハナへのアクセス
上記以外にも、プランによってはホテルでの前泊や、宿泊に伴う夕朝食、空港送迎、フライト、船までの送迎などが料金に含まれる場合もあります。
詳細は各プランの「クルーズ代金に含まれるもの」をご確認ください。
その他、代金に関する不明点は乗船前のお問い合わせを推奨します。
船内通貨
「ル・ポール・ゴーギャン」では、基本的に米ドルが公式通貨となります。
※ポナンの他の客船ではユーロ
支払い方法は現金とクレジットカードの2種類。乗船日にはクレジットカードの登録が必要です。
船内で有料サービスを利用した場合、下船前日の夜に届く請求書をもとに、クレジットカード、または現金での清算となります。
以下からは、クルーズ会社「PONANT(ポナン)」について簡単にご紹介します。
PONANT(ポナン)とは?

画像提供©︎PONANT
「PONANT(ポナン)」は、日本を含む世界各地にフランス流の空間、美食、サービスを提供している、フランスで唯一のクルーズ会社です。
そんなポナンを語る上での重要なキーワードが、「Luxury Expeditions(ラグジュアリー・エクスペディション)」。
「エクスペディション・クルーズ」とは、南極や北極、アマゾン川などに代表される、”手付かずの自然あふれる秘境”を訪れる、知的好奇心を大いに刺激する究極のクルーズスタイルを指します。
そんな「エクスペディション・クルーズ」を、ラグジュアリー客船で実現(=ラグジュアリー・エクスペディション)した先駆けの企業こそ、「PONANT (ポナン)」なのです。
ポナンの客船
以下では、ポナンが運行する魅力的な客船(シリーズ)を簡単にご紹介します。
ル・ポナン
「ポナンの原点」たる帆船「ル・ポナン」は、乗客定員32名の小規模客船です。
1991年に就航した同船は、2021年に大改装を実施。
プライベートヨットかのような優雅な船旅が実現します。
「シスターシップ」シリーズ

シスターシップ(ロストラル)|画像提供©︎PONANT
4隻からなる「シスターシップ」シリーズは、世界で初めて”ラグジュアリークラスの客船”として極地航海を前提に建造されたクルーズ船です。
同シリーズに名を連ねる「ル・ソレアル」では、日本発着クルーズも設定されています。
「エクスプローラー」シリーズ

エクスプローラー(ル・ラペルーズ)|画像提供©︎PONANT
「エクスプローラー」シリーズは、本記事執筆時点で6隻が就航している、9,900総トンのスモールシップシリーズです。
最大の特徴は、世界初の”水中ラウンジ”である「ブルー・アイ」。
同シリーズに名を連ねる「ル・ジャック・カルティエ」では、日本発着クルーズも設定されています。
ル・ポール・ゴーギャン

ル・ポール・ゴーギャン|画像提供©︎PONANT
画家のポール・ゴーギャンは、”人工的なものからの逃避”と”原始的な自然への強い憧れ”から、タヒチへと行き着きました。
そんなゴーギャンの名を冠した「ル・ポール・ゴーギャン」は、彼が数多くの傑作を残したタヒチを含む、フランス領ボリネシアと南太平洋の島々を巡るクルーズ船です。
日本には配船されておらず、全日程タヒチ島パペーテ発着ですが、一部日程には「日本人コーディネーター乗船出発日」(※)が設定されています。
※日本人ゲストが10名以上乗船している場合に限る。

ル・コマンダン・シャルコー

ル・コマンダン・シャルコー|画像提供©︎PONANT
「ル・コマンダン・シャルコー」は、ラグジュアリー客船としては世界初の「砕氷船」です。
自船の力だけで氷の海を割り砕き悠々と進む姿は、まさに圧巻。
そんな「ル・コマンダン・シャルコー」の魅力は、以下の記事で詳しく解説しています。

「よいたび。」クルーズ特集
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