あなたは「クルーズ旅行」と聞いた時、どのようなイメージを抱きますか?
まず思い浮かぶのは、煌びやかな「豪華客船」でしょうか。
一方で、「高額」「堅苦しいドレスコード」「船酔い」「退屈」など、ネガティブなイメージをお持ちの方も少なくないはずです。
本記事では、そんな「クルーズに対するネガティブなイメージ」を払拭するべく、クルーズ旅行の意外な「リアル」をプロ目線でご紹介します。ぜひ最後までご覧ください。
「クルーズ旅行」とは?|魅力を解説!
そもそもクルーズ旅行とは、一体どのような旅行を指すのでしょうか。
単なる移動手段の1つ? ずっと海の上だから暇? 食事に飽きる?
そんな疑問にお答えするべく、まずは「クルーズ旅行」という旅行形態について解説していきます。
クルーズの魅力|移動時間、かつリゾート。
クルーズ旅行の最大の魅力は、「移動そのものがエンターテイメント」であるという点です。
バスや電車、飛行機などの移動は、あくまで目的地に到着するための手段に過ぎません。
一方のクルーズ船は、単なる移動手段とは異なります。
スーツケースを港で預け、船に足を踏み入れた瞬間から、そこはもう「動くリゾート」。
あなただけの船室に不要な手荷物を置いておけば、身一つでリゾートを満喫することができます。
果てしない海を眺めつつ寄港地に想いを馳せるもよし。
時間を忘れて思いっきり楽しむもよし。
遊び疲れたなら、船室に戻って休むもよし。
クルーズ船は、言わば「移動手段」かつ「リゾート」かつ「ホテル」。
以下からは、そんなクルーズの魅力をさらに掘り下げます。
旅を彩る極上グルメ
クルーズ船内での食事は、複数のレストランの中から好きに選ぶことができます。
スペシャリティ・レストランなどの一部を除き、基本的に船内での食事はオールインクルーシブ。
その日の気分に合わせて、好きな食事を値段を気にせず楽しむことができます。
バーやラウンジでの軽食も価格に含まれているため、ドリンク片手に気の合う仲間と好きなだけ語らいましょう。
【スペシャリティ・レストラン】
スペシャリティ・レストランとは、文字通り特別食や専門的な食事を提供するレストランを指します。
例えば、ハイクラスなフレンチやイタリアン、和食(特に寿司や天ぷら)等です。
基本的にクルーズ旅行では、船内飲食も旅行代金に含まれています。
しかし、スペシャリティ・レストランは有料であることがほとんど。
料金は部屋付。他の有料オプションと併せて下船時に支払い、というケースが一般的です。
休む間もないエンタメ体験
歌手による生歌唱や、ライブミュージック、劇場でのショー、華やかなダンスナイト。
クルーズ船の夜は、何らかのイベントプログラムが行われていることがほとんどです。
そして日中は、寄港地ツアーで様々な観光地を散策。
終日航海日であれば、プールやスパ、ジャグジーで癒されつつ、カジノに挑戦してみるのはいかがでしょう。
船上では、とにかく様々なプログラムが目白押し。
船室で過ごすのは寝る時だけ……という方も珍しくはありません。
クルーズ旅行中は、意識して船室に閉じ籠らない限り、暇な時間は生まれないはずです。
非日常を楽しむ
上述のグルメやエンタメを含め、船上では日常で体験し得ないアクティビティが揃っています。
例えば、ダンスレッスンや手工芸の体験講座、ワインのテイスティングなど、知的好奇心を刺激するプログラムに参加してみる。
気の向くままにレストランやバーを訪れ、ただひたすらに食と向き合う。
ヨガやピラティス、最新マシンが揃ったフィットネスジムで汗を流しつつ、スパやサウナで体を整える。
…そんなアクティビティの数々を、”移動しながらにして楽しめる”という非日常体験は、クルーズの大きな魅力と言えるでしょう。
クルーズの魅力|欲張りな旅程が実現
クルーズ旅行のもう1つの大きな魅力は、複数の観光地(寄港地)を効率よく巡れることです。
例えば、国内であれば、10日から2週間程度をかけた日本一周クルーズ。
海外であれば、イタリアやギリシャ、トルコなどを巡る地中海クルーズ。
通常のツアーでは不可能、もしくは効率が悪い欲張りな旅程でも、クルーズ旅行なら実現することができます。
多くの船会社は港発着のオプショナルツアーを用意していますので、現地観光もおまかせでOK。
もちろん、自身の足で自由に散策することも可能です。
毎日のように移動を繰り返し、見たことのない景色、触れたことのない文化、食べたことのない料理に出会う。
観光で疲れた体はクルーズ船内でリセットし、また次の寄港地に向けて気分を上げる。…そんな刺激溢れる体験は、クルーズ旅行でしか味わうことができません。
クルーズ旅行の4つの「リアル」
ここからは、この記事の本題であるクルーズ旅行の「リアル」について取り上げます。
金額、ドレスコード、船酔い、言語……。
クルーズ旅行に高いハードルを感じる要因となる4つのポイントについて、プロが解説します。
「高い」は誤解!?|金額のリアル
ます最初に取り上げるのは、「料金が高い」というイメージについて。
実際のところ、旅行代金はクルーズ船の種類や旅行期間、客室グレードによってピンキリです。
日本であれば、郵船クルーズの「飛鳥」シリーズや、商船三井クルーズの「にっぽん丸」など、ラグジュアリークラスのクルーズ船は比較的高額となります。
一方で、海外のカジュアルクラスのクルーズ船であれば、想像よりも手頃な価格で参加できる場合がほとんどです。
さて、クルーズ旅行を検討する際に頭に入れておきたいのが、「旅行代金に含まれているもの」について。
旅行代金には、寄港地への移動費はもちろんのこと、客室での宿泊費、朝・昼・夜の食費、ショーやコンサートなどのエンタメ費、プール・ジャグジー・ジムなどの施設使用費と、多くのものが含まれているのです。(※)
※別途追加代金が必要な場合もあります。申し込みの際は、パンフレットをご確認ください。
フリープランの個人旅行であれば、「交通手段(JR/航空機)+夕朝食付の宿泊セット」の形が一般的。
昼食代は別である他、クルーズのような多彩なアクティビティやプログラムは(基本的には)含まれません。
つまり、「旅行代金に含まれているもの」を基準として考えた時、意外とクルーズ旅行の方が安い……ということも起こり得るのです。
近年では、日本国内の各港から発着するショートクルーズも数多く設定されています。
長期休暇の取得が難しい方や、予算を気にされている方は、半日から3日ほどのショートクルーズに参加してみてはいかがでしょうか。
また、一部のプランには、早期予約割引や直前割引など、お得な料金で乗船できるチャンスもあります。
情報収集を行うことで、驚くほど安くクルーズに参加できる機会と巡り会えるかも……?
ドレスコードが不安・・・|服装のリアル
クルーズ旅行には、華やかで社交的なイメージが付き物です。
一部のクルーズ旅行には「フォーマルナイト」が設定されており、男性であればタキシードに蝶ネクタイ、女性であればくるぶし丈以上の長さのイブニングドレスなど、正装が要求されます。
人々はドレスアップを楽しみ、フォーマルな雰囲気の中でディナーやダンスを楽しむ、というわけですね。
しかし、昨今のカジュアル船では、リラックスできる服装でOKなケースがほとんど。
また、ラグジュアリー船であっても、ショートクルーズであればフォーマルナイトが設定されていないツアーの方が多い印象です。
服装に関しては、ツアー中は船内新聞等で情報収集できる他、申し込み前であればパンフレットのツアー詳細に明記されています。
もちろん、フォーマルナイトに参加して、非日常の雰囲気に身を任せるのもクルーズ旅行の楽しみ方の1つ。
ダークスーツやタキシード、イブニングドレスに訪問着。
正装で身を包んだいつもと違う自分と出会う機会に、身を投じてみませんか。
酔い止めが必要?|船酔いのリアル
船酔いが心配でクルーズ旅行への参加を躊躇されている方もいるかもしれません。
しかし、現在の大型クルーズ船は、最新技術で揺れを軽減するフィンスタビライザーを備えています。波
のある海域であっても、船内ではあまり揺れを感じないという場合が多いです。
……とは言え、小型のラグジュアリー等では、場合によっては大きく揺れを感じることも。
また、大型船であっても、波の激しい海域であれば、揺れを感じることがあります。
どうしても船酔いが心配な場合、酔い止め薬の持ち込みもご検討ください。
なお、一部の船では船内での酔い止め薬の購入が可能である他、船医や看護師に相談できる体制も整っています。
ヘリポートを備えた大型船であれば、空路での救急搬送も可能となっており、不測の事態への備えも万全です。
言葉が通じない!?|言語のリアル
海外寄港を伴うクルーズの場合、「言語が通じるか」は大きな懸念点ですよね。
最近では、クルーズ需要の増加に伴い、日本人乗客の多いクルーズや、日本人スタッフを擁するクルーズが増加傾向にあります。
船によっては船内新聞の日本語版や、日本語のアナウンスが用意されていることも。
また、一部の船では日本語デスクも設置されており、日本人に優しいクルーズが増えています。
……とは言え、初めてクルーズ旅行に参加される場合は、日本語サポートの有無の事前確認がおすすめです。
本記事のまとめ
本記事では、クルーズ旅行への負のイメージを払拭するべく、クルーズの「リアル」をお伝えしました。
昨今のクルーズは、大金持ちの道楽ではなく、よりカジュアルな層にも開かれた旅行商品となっています。
移動や宿泊の他、食事、エンターテイメント、リラクゼーション、寄港地観光。
全てが1セットとなった新たな旅のスタイルで、国内外の名スポットを巡ってみませんか。